2010年3月3日(水)

パンタグラフ

Filed under: ランドルフの独り言 — Ken @ 6:54 pm

先月、走行中のこだまのパンタグラフ(以下パンタ)の故障が原因で架線を切ってしまい、東海道新幹線が全線ストップという事故が起こりました。普段あまり注目されないパンタですので、新幹線の新型車両の登場と同時にパンタも進歩を続けていることもあまり知られていません。
まず新幹線のパンタは軽量化と空気抵抗を減らすため、在来線よりもかなり小さいものが採用されました。それでも騒音はかなりのもので、対策としてまずパンタの周りにカバーを取り付けたりしまたが車内への影響はまだまだで、0系新幹線に乗られた方には記憶にあるかと思いますが、パンタの近くの席に座るとその騒音と振動に筆者はいらついたものでした。
この原因はアーク放電と言い、前のパンタとの接触で架線に振動が発生するとその揺れで後ろのパンタは瞬間的に架線から離れることがあります。その際両方の間に電圧差が生じることで起こる放電現象です。バチバチという音と同時に火花が飛び散りますが、車内ではドンドンと聞こえました。実際に夜間走行している0系新幹線のパンタから青白い火花が出ているところを見たことがある方もいることと思います。
そこで次の車両の設計にあたってはパンタの数を減らすことも課題になりました。新
しく登場した100系では0系で8台あったものを3台まで減らし、各パンタの間を広げて架線の揺れの影響を減らしました。先月東海道新幹線から引退した500系では2台まで減らすと同時に、風切り音を最小限に抑えるために設計にあたっては梟の羽を参考にした他、一部の部品の制作はF1レーシングカーの部品を制作しているメーカーに依頼し、T字形のパンタが開発されました。現在東海道山陽新幹線の主役を務める700系(N700)はシングルアームという形を採用しています。
これまで菱形だったものが、「く」の字のような形に変わったもので空気抵抗が少ない、部品数を減らせる、占有面積が少ないなどのメリットがあることから新幹線のみ
ならず在来線の車両にも急速に普及し始めました。しかしこれは開発したフランスのメーカーの特許が最近切れたことが主な要因です。乗客には見え難い部分での研
究が乗り心地の改善には重要であることがわかりますが、今回の事故はネジの締め忘れたでパンタの部品が落下するという凡ミスが原因でした。皆様も大切な部分のネジの締め忘れにご注意下さい。

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